あざのあるお子さんが誕生した

全てのママとパパに贈る

0歳から小学校2年生までの

8年間のドキュメンタリー

著者 涌井貞朋

はじめに

この本を手に取って頂いたママやパパへ。

あざを持つお子さんを授かったあなたが、どれほどの不安を抱えているか、私は深く共感します。

私の家族も同様でした。息子が生まれた瞬間、全身に見つかった「あざ」。そこから、我が家のあざ物語がスタートしました。

一見しただけでは理解しがたい「あざ」の背後には、複雑な症例や合併症が存在しているかもしれません。または、そうでないかもしれません。この本は、私たち家族が直面した挑戦や、どのように立ち向かっていったかを8年間の時系列に沿って赤裸々に記しています。

新しい命の誕生は心から待ち侘びた喜びです。しかし、予期せぬ「あざ」の発見は、一瞬にして幸せな気持ちを複雑な不安へと変えてしまいます。私たち夫婦も、息子の誕生と同時に、将来、我が子が直面するかもしれない「合併症」や「治療」。あざがあることで「いじめ」につながるのではという未来を、勝手に思い描いてしまい、不確定な数多くの問題や疑問と向き合うこととなりました。

出産した産婦人科の院長先生曰く、あざ発見のタイミングは出生時が初めてとなるケースが大半だそうです。したがって、それに備える術はありません。息子が生まれたその瞬間、私たち家族は驚愕し、心配でいっぱいになりました。特に我が子は、身体中にあざが初見され、お医者さんも驚いていました。

我が子を守る為となると、私たち親というものは周囲の意見を聞き入れない鬼になることもあります。時に、周囲の意見を耳に入れず、一心にあざ治療へ専念しがちです。あざ治療がスタートすると手術室に入り施術を見守ることもできます。

治療過程では、レーザー照射によるあの焼け焦げた皮膚の匂いを嗅ぎ、涙する我が子を面前にしても、「これはわが子の未来のために、今これが正しい」という強い信念が必要だったりします。治療時は一貫して病院の先生や看護師さんの助言のみ正しいと思い、家族が「そこまでやらなくても・・・」という同情の意見に耳を傾けなくなる事もあります。

そんな時、実は要注意。親の気持ちとは裏腹に子どもの状態や気持ちが見えなくなってしまうこともしばしばあります。

そうなる前に、またはそうなった後でも、この本を手に取っていただくことで深呼吸ができ、心の重圧や負の部分をリセットすることも必要だということを共感して頂けると嬉しいです。この本を通じて、あざを持つお子さんのご家族に対する心のサポート、有益な情報を提供できれば幸いです。

この本は「あざと共に子どもの未来をどう描いていくか」に焦点を当て、ご家族の強いサポーターでありたいと願っています。 本書売上の一部は、あざコミュニティへの支援金として寄付されます。私たちの経験が、同じ道を歩むご家族のお役に立てれば幸いです。

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